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焦点:シリコンバレー銀破綻、超緩和局面終了で早くも金融システムにほころびか - ロイター (Reuters Japan)

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[ニューヨーク 12日 ロイター] - 米カリフォルニア州の金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行が10日に経営破綻した。足かけ10年におよぶ超金融緩和局面に終止符が打たれるとともに、早速金融システムの一角にほころびが出てきたようにも思える。一部の投資家は、世界の金融市場が新たな試練の縁に立っているかもしれないと警戒している。

 米カリフォルニア州の金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレー銀行が10日に経営破綻した。一部の投資家は、世界の金融市場が新たな試練の縁に立っているかもしれないと警戒している。写真はニューヨークで10日撮影(2023年 ロイター/David 'Dee' Delgado)

米連邦準備理事会(FRB)は過去1年で1980年代初め以来最も急速な利上げを進め、他の主要中央銀行がこうした引き締め路線に追随。結果としてハイテク株はITバブル崩壊以降最長の売りに見舞われ、暗号資産(仮想通貨)業界は足場が崩れ、米英の不動産投資信託(REIT)からは資金が流出している。直近では、英国の年金基金が破綻寸前に追い込まれ、イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が対策を講じざるを得なくなった。

こうした中でシリコンバレー銀行が破綻し、金利上昇と景気悪化に伴う混乱がもっと大きくなるのではないかと懸念されている。

カイル・バス氏やビル・アックマン氏といった著名投資家は、シリコンバレー銀行破綻の悪影響が銀行システム全体に広がるのを防ぐために政府が素早く対応しなければならないと主張した。

今のところ痛みを感じているのは、リスクを積極的に背負ってきた投資家や企業がほとんど。これが他のセクターに波及し、新しい金融危機につながるかどうかはまだ分からない。そして主要中銀が今後どの程度積極的に利上げを続けるかどうかが鍵を握る部分があるだろう。

ハイマン・キャピタル・マネジメントの創業者兼最高投資責任者カイル・バス氏は「大きなインフレを生み出した後でこれほど前のめりの利上げに動けば、何かが壊れることになる。(FRBが)これから得る教訓は、急激な利上げは急激な緩和と同じぐらい向こう見ずであるということだ」と指摘した。同氏はSVBと取引関係はない。

FRBのパウエル議長は8日、利上げを継続すると改めて表明しつつも、政策の議論は経済データ次第という点は変わらないと強調。イエレン財務長官などは、米国の銀行システムは2008年の金融危機時より強じんさが増していると断言した。

それでもここ数日で市場の不安感が高まる様子が見て取れる。S&P総合500種は10日までの1週間で4.6%下落し、年初来の値上がりをほとんど吐き出そうとしている。投資家の不安心理の度合いを表すCBOEのボラティリティー・インデックス(VIX)は3カ月ぶりの高水準に達し、米2年国債利回りは08年の金融危機以来の低下幅を記録。つまり投資家の間で質への逃避が見られるだけでなく、今後経済が低迷してFRBが引き締め路線の転換、さらには利下げ加速まで余儀なくされるのではないかとの観測が浮上していることが分かる。

今月の連邦公開市場委員会(FOMC)についても、市場が織り込む50ベーシスポイント(bp)の利上げ確率は10日時点で38%と、前日の68.3%から大きく下がっている。

シリコンバレー銀行は、昨年9月に危機に陥った英年金基金と同様に、金利高騰を読み切れず、負債をうまく管理できなくなったように見える。

投資家は別の場所にも危険がないか探し回り、きな臭さを感じた銀行から資金を引き揚げた。過去2日で、KBW銀行指数の下落率は10%余りと、20年3月以来の大きさ。米銀のファースト・リパブリック・バンクやウエスタン・アライアンスは流動性と預金は依然としてしっかりしていると声明を出したが、いずれも株価は10日に14%強下落した。この日株価が2.6%下がったドイツのコメルツ銀行は、同行への波及リスクはないと訴えた。

LPLファイナンシャルのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、アダム・ターンクイスト氏は「シリコンバレー銀行破綻がもたらすリスク(への懸念)が、とりあえず売りを出してその対象銘柄の実態はあとで確認しろという雰囲気を生み出した」と解説し、2月に79%もあった株価が200日移動平均超えのS&P総合500種企業は、足元で半分弱になっていると付け加えた。

シリコンバレー銀行と事業上の関係がある企業にも余波が及んでいる。ドル建てステーブルコインを発行するサークルが、シリコンバレー銀行に準備金を預け入れていたと明らかにすると、同コインはドルペッグを維持できなくなり、過去最安値に沈んだ。

またハイテク業界などでシェア拡大のために何年も赤字を計上しても投資家が辛抱してくれる、という時代も、シリコンバレー銀行破綻で幕を閉じ、これから企業は一刻も早い黒字化を求められそうだ。

(David Randall記者、Davide Barbuscia記者)

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March 13, 2023 at 06:21AM
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