金融システムに急いで流動性を追加供給するのは金融ストレスの「最も明白な兆候」であり、ドルにとって確実にマイナスだと、ドイツ銀行のチーフ国際ストラテジスト、アラン・ラスキン氏は指摘した。
ラスキン氏は「米金融当局がバランスシートを拡大しつつも根底にある金融問題の解決に手間取ることなどが、ドルにとって最悪の結末だ」と顧客向けリポートに記述。米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）と日本銀行、欧州中央銀行（ＥＣＢ）、イングランド銀行（英中央銀行）、カナダ銀行（中銀）、スイス国立銀行（中銀）が19日、ドルの流動性供給拡充に向け協調行動を取ると 発表したことを受けて指摘した。
「シリコンバレー銀行（ＳＶＢ）の問題が信頼の危機を引き起こしたという理由で、当社はドルに悲観的な見方を取りたい。こうした信頼の危機は米銀行システムに長期にわたって構造的な影響を及ぼす」と同氏は記した。
ブルームバーグ・ドル・スポット指数
出所：ブルームバーグ
「セクターの構造と深く関連しているこうした性質のショックに、即時的な解決策は通常効かない」と、ラスキン氏はＳＶＢ問題の影響について指摘。「この問題は銀行セクターの構造に関連しており、米国に極めて特有でもある。それがドルネガティブの結論を下した別の理由だ」と続けた。
原題： Deutsche’s Ruskin Says Fed Liquidity Boost Is Bad for the Dollar（抜粋）
March 21, 2023 at 02:36AM
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