金融庁は7月にもクレディセゾンへの立ち入り検査に着手する方針を固めた。クレディセゾンが注力する不動産関連融資の実態把握が目的とみられる。背景には、同じく投資用不動産ローンに強い経営再建中のスルガ銀行と資本業務提携し、金融サービスを拡大したいと考える動きへの警戒がある。クレディセゾンは、グループ傘下のセゾン投信の中野晴啓会長CEOの退任をめぐっても問題を抱えており、厳しい状況が続きそうだ。
(写真=日刊工業新聞/共同通信イメージズ)
「バンクとノンバンク双方の強みを融合させた新しいビジネスモデルを創出する」。クレジットカード大手のクレディセゾンとスルガ銀行は5月18日、資本業務提携を発表し、狙いをこう説明した。クレディセゾンはスルガ銀行の発行済み株式の15.12%を171億円で取得し、持ち分法適用会社にする。スルガ銀も155億円でクレディセゾンに4.4%出資。役員も相互に派遣する。
「セゾンカード」で有名なクレディセゾンだが、近年は流通市場で培ったブランド力を発揮できない状況にあった。消費や決済の主戦場がデジタルに移行する中、楽天グループやSBIホールディングスは銀行、保険、証券と広範囲の金融サービスを提供する「金融コングロマリット」色を強めている。しかしクレディセゾンはこうした流れに乗り遅れていた。
またクレディセゾンの事業利益は足元で609億円だが、クレジットカード事業など「ペイメント」は3分の1以下。稼ぎ頭は、投資用不動産ローンやフラット35といった不動産関連融資が柱の「ファイナンス」だ。
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June 13, 2023 at 03:00PM
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