2018年に発覚した不正融資問題を引きずる中堅地銀のスルガ銀行(静岡県)と、クレジットカード大手のクレディセゾンによる資本業務提携が波紋を広げている。スルガ銀と不正融資の被害者との係争が続くなか、21日に開かれたセゾンの株主総会では、会場内外で両社の提携に対する抗議や懸念の声が上がった。情報提供窓口「つながる毎日新聞」に寄せられた投稿を基に、株主総会の現場で当事者の声を聞いた。
「置き去りにされるのでは」不安
セゾンの株主総会が開かれた東京都内のホテルの周囲は、異様な空気に包まれていた。スルガ銀の不正融資問題の被害者約200人が「提携を撤回せよ」などと書かれた横断幕やのぼり旗を掲げ、会場に向かうセゾンの株主らに「不正融資問題を背負う覚悟はあるのか」などと何度も声を上げた。総会は報道陣に非公開で開催されたが、会場入り口ではスーツ姿のセゾンの社員らが、総会の運営を妨げるようなトラブルがないか目を光らせていた。
スルガ銀とセゾンは5月18日、資本業務提携を発表した。セゾンがスルガ銀株式を議決権ベースで15%超取得し、スルガ銀もセゾンに5%を出資。相互に副社長を役員として派遣し、セゾンのカード会員向けにスルガ銀のインターネット銀行のサービスを提供するなどの連携を進める内容だ。
しかし、この提携にスルガ銀の不正融資問題の被害者らは猛反発している。
スルガ銀の不正融資問題では、シェアハウスなど投資用不動産のオーナー向け融資を巡り、投資物件の収益性のかさ上げなど審査書類の改ざんが横行。事態を重く見た金融庁は18年10月、投資用不動産融資など一部業務停止を命じた。
その後、スルガ銀はシェアハウス向け融資の債務者と和解し、債務は全額免除された。しかし、アパートやマンション向け融資の債務者とは係争が続いている。不正融資問題に決着をつけないまま、セゾンとの事業提携で経営再建を進めようとするスルガ銀の対応に、被害者は「スルガ銀とセゾンに置き去りにされるのではないか」との不安を募らせているのだ。
セゾン役員「交渉を見守る」
セゾンの総会会場前のデモに参加した被害者の男性(59)は「被害者への対応が後回しにされ、さらなる窮地に追い込まれないか不安だ」とこぼした。
男性は不動産業者の紹介を通じてスルガ銀から融資を受け、12年以降に物件4件を計3億2000万円で購入した。このうち2億6000万円で買ったアパートは当初、毎月190万円の家賃収入が見込めると説明を受けたため、月130万円をローン返済に充てる計画だった。
ところが、実際の家賃収入は次第に減少。最終的には月30万円ほどに落ち込み、ローン返済が行き詰まった。男性は「まだ3億円超の返済が残っている。提携を決めたセゾンも当事者として不正融資問題の解決に動いてほしい」と訴えた。
関西在住の別の被害者の男性(41)は、スルガ銀の融資で1億円超のマンションを購入したが、審査書類が改ざんされて過剰融資を受けていたという。男性は「債務者の『自己責任』と言われる風潮もあり、自分を責めることもあったが、書類が改ざんされていたこともあり、今は納得できていない。スルガ銀と組むセゾンの姿勢には違和感しかない」とセゾン側にも不信感を募らせる。
一方、セゾンの株主総会でもスルガ銀との提携に疑問の声が上がった。
参加した株主らによると、「なぜ悪評のあるスルガ銀と提携しなければいけないのか」などと株主が経営…
June 21, 2023 at 07:46AM
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スルガ銀不正融資、提携先のセゾン株主総会に波及 被害者ら抗議 - 毎日新聞
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