三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)など3メガバンクが、気候変動対応を巡り、国内外の環境団体からの要望に苦慮している。6月下旬の株主総会に向け、環境団体は株主提案で3社に「会社の憲法」とされる定款を変え、環境関連の計画策定を盛り込むよう要求。だが定款変更は困難として3社とも提案への反対を取締役会で決議した。ただ気候変動対応は社会的な関心の高まりもあって3社とも注力しており、環境団体に理解を求めている。
株主提案は、豪州が拠点の環境非政府組織(NGO)マーケット・フォースや、国内の特定非営利活動法人(NPO)気候ネットワークなどが4月に出した。他に東京電力ホールディングス(HD)など3社にも提案している。
メガバンクへの提案は令和2年から毎年1社を対象としていたが、今回は3社同時となった。地球温暖化防止の国際的枠組み「パリ協定」に沿った計画の策定を定款に盛り込むよう求めている。
気候ネットは「国際社会は再生エネルギー関連開発投資に重きを置く。日本のメガバンクも持続可能な、真に『グリーン』なエネルギーシステム構築を目指すべきだ」と指摘する。
これに対し、3社は5月の取締役会で提案への反対を決議した。「会社組織などの基本を定める定款に個別の業務執行にかかる事項を定めるのは適当でない」(みずほFG)、「パリ協定の目標に沿って温室効果ガス排出量の削減に真摯(しんし)に取り組んでいる」(三井住友FG)との理由からだ。
定款変更は出席株主の3分の2以上の賛成を得る必要があるため、そもそもハードルが高い。とはいえ、株主の環境対応への目線が厳しくなる中、予想以上の賛同を得る可能性もある。
気候変動対応を巡っては、3社はすでに最重要の経営課題の一つに位置付け取り組みを加速している。
大きな柱は、環境問題などを解決する企業を融資などで金融面から支援する「サステナブルファイナンス」だ。みずほFGは元年度から12年度の実行目標100兆円を掲げる。
温室効果ガスなどの削減余地が大きいとみられる電力や鉄鋼などの重厚長大産業を中心に投融資を加速し、脱炭素化を後押しする。サステナブルファイナンスを巡っては、三菱UFJFGも同じ期間で35兆円、三井住友FGは2~11年度で50兆円という数字を打ち出している。
また三井住友FGは発電用石炭事業者への融資低減を進めるほか、三菱UFJFGは火力発電の脱炭素化に向けた電力事業者などの支援も展開する。
エネルギー価格が高騰する中、脱炭素化を急速に進めることには慎重な声もある。あるメガバンク関係者は「(政府が温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す)2050年が勝負だ。そこに向けてできることを着実にやる」。別の関係者は、「環境団体とは建設的な対話をしたい」と話す。(中村智隆)
June 18, 2023 at 02:06PM
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3メガ銀、気候変動対応で環境団体に苦慮 株主総会 - 産経ニュース
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