ドイツ銀行の今年１－３月（第１四半期）は、純利益が７年ぶりの高水準となった。債券トレーディング収入が大半の米銀勢を上回る伸びとなったほか、アルケゴス・キャピタル・マネジメントに絡む損失も回避した。
28日の決算発表によると、債券トレーディング収入は前年同期比34％増で、大手米銀勢の平均伸び率17％を上回った。純利益は９億800万ユーロ（1200億円）とアナリスト予想を上回り、2014年第１四半期以来の最高益だった。
好決算を受けてクリスティアン・ゼービング最高経営責任者（ＣＥＯ）は今年通年の収入が前年並みになるとの見通しを示した。従来は減収を見込んでいた。
第１四半期は債券とヘッジの需要が急増して投資銀行業務の絶好調をもたらした一方、マイナス金利が続く中で融資は停滞した。トレーディングは今後減速が見込まれることから、金利収入の重要度が増す。
イェームス・フォンモルトケ最高財務責任者（ＣＦＯ）はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「現在の活動は堅調」だが、４－６月（第２四半期）は「第１四半期と同じペースは期待できない」と語った。
投資銀行部門の収入は債券トレーディングをけん引役に32％増加。債券トレーディング収入の伸びは、モルガン・スタンレーの44％を除き米銀勢を上回った。
モルガンＳ、１－３月にアルケゴス関連で９億1100万ドルの損失
ゼービングＣＥＯは19年に、再建計画の一環として株式トレーディングからの撤退とともにヘッジファンド向けのプライムブローカレッジ事業からの撤退も打ち出していた。ファミリーオフィスのアルケゴスに関するエクスポージャーが幾分残っていたものの、迅速にポジションを解消し損失を免れた。
特別買収目的会社（ＳＰＡＣ）関連事業を以前から手掛けていたドイツ銀はブームの恩恵を受け、新規株式公開（ＩＰＯ）助言など投資銀行業務の手数料収入も増えた。
第１四半期は景気見通し改善で貸倒引当金も減少した。
法人向け銀行部門の収入は前年同期比１％減。為替変動調整後では２％増となった。ドイツ銀はマイナス金利のコストを一部顧客に転嫁している。プライベートバンクの収入は横ばいで、為替調整後は２％増だった。
原題： Deutsche Bank Raises Outlook After Best Quarter in Seven Years、Deutsche Bank CEO Sees 2021 Revenue Close to 2020 Levels、 Deutsche Bank Trading Beat Hands Sewing Best Quarter Since 2014（抜粋）
April 28, 2021 at 12:54PM
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ドイツ銀、債券トレーディング好調で７年ぶり高利益－見通し引き上げ - ブルームバーグ
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