京都市下京区中堂寺南町で江戸時代の秤量貨幣「慶長丁銀」(1601~95年鋳造)の品質を証明する極印用のたがねが出土していたことが27日分かった。慶長丁銀の極印たがねは初出土で、貨幣製造史を考える上で貴重な資料という。調査した市埋蔵文化財研究所によると、印面からは高純度の鉛を検出、銀座から持ち出され、多くの鉛を含む偽金造りに用いられた可能性も浮上している。
京都市中央卸売市場の整備に伴い、昨年1~3月に発掘。豊臣秀吉が築造した土塁「御土居」の堀の中から見つかった。鉄製で長さ11・3センチ、重さ532グラム。当初は用途不明だったが、銀座の役所名「常是」の文字や大黒天像があることが分かり、慶長丁銀の極印たがねと分かった。この極印が押された慶長丁銀は確認できなかったという。
出土場所は、1608年から慶長丁銀を鋳造した京都銀座(京都市中京区金吹町など)から約2・5キロも離れていることや、悪用されないように印面をつぶしてから廃棄する原則が守られていないことから、正規品のたがねかどうかを調べるために、長方形の印面(縦1・7センチ、横3・4センチ)に付着した金属を蛍光エックス線などで調べた。
慶長丁銀は銀8割、銅2割で、検査の結果、印面から銀や銅を確認する一方で高純度の鉛も見つかった。慶長丁銀はわずかに合金状態の鉛も含むが、鉛が単体で検出されたため、偽金造りに用いられた可能性も出てきたという。江戸時代には偽の鉛製丁銀に注意を呼び掛ける記録もある。
西脇康・東京大史料編纂所所員は「これまで見た偽金の極印は稚拙だが、今回のは精巧で、京都銀座で使われていたものだろう。極印もたくさん造られたので、職人が記念品として持ち出したのかも」と推測。
発掘を担当した柏田有香調査係長は「管理が厳重だった貨幣関連道具が銀座から離れた場所で出土したのは大きな謎。偽造に使ったとすれば誰かが銀座から持ち出し、ばれないように最後は堀の中に捨てたのでは」と話している。
March 27, 2022 at 02:13PM
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