みずほフィナンシャルグループは富裕層の資産を総合管理するビジネスで、スタートアップ経営者など「新興富裕層」を含む超富裕層向けの取り組みを強化し、顧客基盤を拡大する方針だ。1980年代から欧米金融機関が相次ぎ国内参入したが撤退を余儀なくされた同分野で、日本型ビジネスモデルの確立を目指す。
みずほFGは昨年12月、超富裕層向けビジネスを15年間手掛けてきた専門子会社を解散し、みずほ銀行の「 ウェルスアドバイザリー」(WA)部に引き継いだ。WA部では資産額30億円超の顧客層をターゲットとしており、現在の約600ファミリーから来年度には約1000ファミリーに顧客数を拡大させたい意向だ。
同行のウェルスマネジメント戦略を統括する酒井正之執行理事はブルームバーグとのインタビューで、国内では確立した超富裕層向けビジネスモデルが存在していないとの認識を示した上で、税制や法規制、国内文化などを踏まえた「日本型のプライベートバンキングを立ち上げる必要がある」と述べた。
酒井氏は、正確な定義は難しいものの国内には約1万5000の超富裕層ファミリーが存在し、うち4割はみずほ銀や証券、信託などグループと何らかの取引があるとしている。
WA部では約30人のプライベートバンカーが顧客開拓とサービスの確立に取り組んでいる。特に新興企業オーナーとは早い段階で関係を構築することで、新たな資金調達や保有株式の売却時など経営者として生じる資産管理ニーズを的確に捉え、長期にわたってサービスを提供していく。
日本では、証券と銀行の間で顧客情報などの共有を原則禁じるファイアウオール規制が欧米型サービス展開の足かせとなってきた。今回、銀行内に部署を設立したことで、銀行が持つ顧客基盤を取り込めるようになった。
新興富裕層
ターゲットとして柱に据えるのは、スタートアップ企業のオーナーなど新興富裕層。手元のキャッシュフローが限られている場合でも、自社株を担保にしたローンなどを活用し、従来の銀行審査では難しかった資金供給を柔軟に行う。
金融以外の分野でも約200ある外部ネットワークの活用方法を再検証し、資産運用などのサービスを拡充する。オンラインを通じて多様化する顧客ニーズをきめ細かく把握し、幅広い分野で柔軟に対応していく方針だ。
例えば、コンテンポラリーアートやワインは幅広い層で関心が高く、成熟企業オーナーには先端医療分野のニーズがあるという。また、新興富裕層の間で税対策としてだけでなく、フィランソロピー(社会貢献活動)の観点から増加している財団設立に関する相談への対応なども想定される。
富裕層の増加で需要高まる
国内の富裕層向けビジネスは、1980年代から米 シティグループや クレディ・スイス・グループ、英 HSBCホールディングスが展開を試みたが定着せずに撤退。しかし、富裕層世帯の増加に伴い、2020年1月にスイスの UBSグループが 三井住友トラスト・ホールディングスと協業でウェルスマネジメント事業を 立ち上げるなど各金融機関で再び強化の動きが出てきている。
野村総合研究所の20年12月付の リポートによると、国内で純金融資産保有額が5億円以上の超富裕層は19年時点で8万7000世帯。同1億ー5億円未満の富裕層は124万世帯で、いずれも05年以降で最多となっている。
March 28, 2022 at 01:00AM
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みずほ銀、30億円超の資産家向けビジネス強化ー「新興富裕層」に照準 - ブルームバーグ
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