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ベルリン銀熊賞の浜口監督、ベネチア銀獅子賞の黒沢監督 神戸との深いつながり - 神戸新聞

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 先週末、うれしいニュースが飛び込んできた。第71回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で浜口竜介監督の「偶然と想像」が最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)を受けたのだ。浜口監督といえば出世作「ハッピーアワー」(2015年)を神戸で撮影。そこでの経験を生かして書いた脚本で、東京芸大の恩師でもある神戸市出身の黒沢清監督が昨年、ベネチア国際映画祭監督賞(銀獅子賞)に輝いている。神戸が舞台の「スパイの妻」だ。連続「銀」の陰の功労者は神戸の街ではないか。

 「非凡な才能を感じた」と神戸映画資料館(神戸市長田区)支配人の田中範子さんは振り返る。同館で09年、浜口監督の東京芸大大学院修了作品「PASSION(パッション)」を上映。学生映画のレベルを超えた完成度で、「すぐにでも商業映画の世界で通用する」と確信したのだった。

 ところがその後の浜口監督は商業ベースに乗らず、東日本大震災後の東北を舞台にしたドキュメンタリー三部作を制作。その真しな仕事ぶりがまた「いい意味で意外だった」と田中さん。

 「次作は関西を舞台に、腰を据えて撮りたい」と、浜口監督が京都ロケを決定しかけていたところ、神戸に引っ張ってきたのが田中さんたち、資料館での上映を機に浜口監督の才能にほれ込み、親交を結んだ神戸市民だった。

 芸術家が神戸に滞在して作品を制作するデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)のプログラムで、浜口監督は13年9月から市民参加の演技ワークショップを実施。これが基になって15年、演技経験のない4人の女性が主演の5時間17分の大作「ハッピーアワー」が完成した。4人はその年のスイス・ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞などを受賞。異色の「メード・イン・コウベ」作品が世界で喝采を浴びた。

 「ハッピーアワー」を公開時にとどまらず、大切な「わが街の映画」として毎年末に上映しているのが元町映画館(神戸市中央区)だ。「毎回、初めて見るという観客を中心に満席になる」と同映画館代表理事の高橋勲さん。上映会ではビデオ映像も含め必ず浜口監督が舞台あいさつ。観客との交流の機会も設けてきた。

 浜口監督は昨年、コロナ禍で苦境に立たされた全国のミニシアターを応援しようと、署名活動「セーブ・ザ・シネマ」を開始。政府に支援を要請した。「ミニシアターに支えてもらった」ことへの感謝の気持ちからだった。

 浜口監督の才能をいち早く見抜いて応援してきた神戸の人たち。かつては石原裕次郎や007のショーン・コネリーもロケでミナト神戸を訪れた。神戸が映画の街として再びの輝きを放つことを願っている。(片岡達美)

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March 10, 2021 at 03:54PM
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