みずほフィナンシャルグループ(FG)傘下の証券会社が大手ネット証券の楽天証券に2割出資する。対面とネットを融合した、新しい個人向け金融業を探る。
auカブコム証券を傘下に持つ三菱UFJや、SBIホールディングスと資本提携した三井住友など、他の大手金融グループもネット証券戦略を進める。投資家の視点に立って、信頼できるサービスを提供してほしい。
「貯蓄から投資へ」の動きを進めるうえでも、ネットが重要な役割を果たすことは言うまでもない。日本証券業協会の2021年の調べによれば、20歳代の投資家のなかでネットを使う人は76%に達し、店舗を通じた取引は19%にとどまった。この比率は50歳代でも56%と36%だ。
一般に株式や投資信託のネット取引は若者に好まれるとされる。だが日証協の調査はかなり上の世代までネットが浸透していることを示す。SNS(交流サイト)を使い自主的に情報を収集し、自らの判断で売買を決める。そうした自己責任に基づく投資スタイルは世代を超えて広がっており、ネット証券の成長を支えてきた。
およそ800万の口座を持つ業界最大手クラスの楽天証券の顧客も、商品の営業や投資の助言は基本的に不要と考える投資家が大半だろう。
みずほFGが資本参加を機に、自社グループの金融商品を優先的に売り込んだりするようなことがあれば、顧客の離散を招きかねない。ネット証券戦略を進めるうえで、他の銀行グループも顧客本位のサービスに徹すべきだ。
預貯金はあるのに証券口座を持たない個人は多い。銀行の国民への影響力の大きさは証券の比ではない。それを正しく生かし、個人金融の健全な発展につなげるのが銀行の役割だ。
例えば、投資未経験者に金融の仕組みや意義を伝えるといったことが考えられる。高校で金融教育も始まった。教材開発や講師派遣などで、銀行グループの人材の厚みを生かせるのではないか。日本全体で金融の知見が高まれば、ネット証券もおのずと潤う。
個人の資産運用では人工知能(AI)を使った投資助言なども始まっている。銀行とネット証券は双方のデジタルの技術や経験を対等に持ち寄り、個人の投資活動を活発にするための取引仲介の姿を考えてほしい。
October 29, 2022 at 05:05PM
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[社説]メガ銀は投資家本位でネット証券生かせ - 日本経済新聞
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