[ワシントン 1日 ロイター] - 経営破綻した米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行の最大手行JPモルガン・チェースによる買収が決まったことで、大規模な銀行合併に否定的な姿勢だったバイデン政権はいささか困った立場に立たされている。今回のように巨大銀行がさらに大きくなる合併を今後も認めるのかどうか、きちんとした説明を求められるからだ。
バイデン大統領は1日、ホワイトハウスで開いた中小企業向けのイベントで、ファースト銀の売却決定を称賛し、これで全ての預金者が守られて政府による救済は避けられると発言。買い手側のJPモルガンの名前は出さず、銀行規制を厳格化すべきだという持論を改めて主張した。
しかし長年にわたって銀行規制強化を訴えてきた与党民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は納得していない。ツイッターに「満足に監督されてこなかった銀行がもっと大きな銀行に買われた。最終的に納税者は窮地に陥るだろう」と書き込んだ。この問題は2024年の大統領選に再出馬を表明したばかりのバイデン氏にとって、しつこく影響を及ぼし続ける可能性がある。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、JPモルガンによるファースト銀買収は、銀行システムの強じん性確保に必要不可欠で、納税者への負担もないと強調。「最近ではこれほど熱心に競争を促進し、業界間にまたがる企業集中に対応した政権はない」とも語った。
さらにジャンピエール氏はファースト銀の救済に関して、なくなれば銀行を利用できなくなる人向けにサービスをしている地銀という特性にも政権が目を向けたと付け加えた。
ただ現在、規制当局は銀行合併に適用する規制を厳しくする方向で議論を進めている。背景には、各行の統合加速が金融安定を損ない、銀行サービスから取り残される人々を生むのではないかとの懸念がある。
実際、政権側はJPモルガンがファースト銀を取得する場合の波紋を十分に認識していて、もう少し小さな幾つかの銀行に買収案を提示するよう促しつつ、別の解決策も模索していたが、結局はJPモルガンの案が金額面で優位に立った、と事情に詳しい複数の関係者が明かした。
元財務省高官で上院スタッフとして金融規制改革法(ドッド・フランク法)の策定にも携わったアーロン・クライン氏は、今の法制度では連邦預金保険公社(FDIC)は最もコストの低い買収案を選ぶ義務を課されている、と解説した。
何人かの元政府高官は、結果的には銀行セクターに危機が伝播するのを避けることが、JPモルガンがさらに強力化する恐れより大事だったと話している。
3月末まで経済政策担当財務次官補だったベン・ハリス氏は「大き過ぎてつぶせないというのが懸念要素の一つなのは間違いない。しかし目下のところ、最も激しい火災を消し止めなければならない」と語り、何としてもファースト銀破綻が銀行セクター全体を揺るがす事態を防ぐ必要があったとしてバイデン政権の立場に同情的な見方を示した。
(Andrea Shalal記者、Pete Schroeder記者)
May 02, 2023 at 10:44AM
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アングル:銀行大型合併に否定的な米政権、ファースト銀救済で窮地 - ロイター (Reuters Japan)
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