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ファースト・リパブリック救済買収劇、米銀巡る警戒解除信号にならず - ブルームバーグ

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これでようやく米国の銀行不安は終わったのか。

  数週間にわたって米銀行業界を襲った混乱は、米国最大かつ最強の金融機関である JPモルガン・チェースが公的管理下に置かれた地銀 ファースト・リパブリック・バンクを買収するという5月1日夜明け前の発表により、少なくとも一時的には収束したようだ。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)に尋ねれば、危機はほぼ脱したということになろう。

JPMorgan Chase & Co. Chief Executive Officer Jamie Dimon Interview

ジェイミー・ダイモン氏

Photographer:Marco Bello/Bloomberg

  ダイモン氏は買収に関する電話会見で、「完璧な水晶玉はないが、銀行システムは非常に安定していると思う」と述べた。

  米史上2番目の規模の銀行破綻はJPモルガンによる救済買収で決着する格好となったが、地銀株指数は1日に下落。一部の業界幹部らは、金融機関の経営難がさらに顕在化する恐れがあるとの懸念から、まだ警戒解除信号は発していない。

  BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、ジェームズ・フォザリンガム氏は午前の顧客向け文書で、「これも流動性危機に対する一時的な解決策だ。市場が資金調達不安のある別の標的を探すことが心配だ」とコメント。議会が行動を起こせばシステム全体の流動性を安定させることができるだろうが、「新たな銀行破綻という現実にもかかわらず、議会はまだ二の足を踏んでいるようだ」と指摘した。

  ファースト・リパブリックの買収条件を丹念に調べ既に欠点を見いだしている向きもいる。買収条件にはJPモルガンに対する500億ドル(約6兆9000億円)の融資や連邦預金保険公社(FDIC)との損失分担の取り決め、連邦預金保険基金の130億ドルの負担が含まれている。

  銀行規制強化の提唱者として知られるウォーレン上院議員(民主、マサチューセッツ州)は声明で、米国の大手銀行が一段と巨大化すると指摘。一方、上院銀行委員会の共和党トップ、スコット議員は声明で銀行システムについて、「強く、回復力がある」と述べ、より前向きな見解を示したが、議論はこれで終わりではない。

速過ぎる成長

  議員や規制当局、アナリストらは、今回の危機はどの程度が監督の甘さに起因するものなのかや、監督強化の必要性、金利上昇などからの圧力を受ける銀行が増える可能性について議論している。

  ジャニー・モンゴメリー・スコットのティモシー・コフィー氏は、ファースト・リパブリックを先に破綻したシリコンバレー銀行(SVB)になぞらえ、銀行の「大罪」は事実上のゼロ金利時に速く成長し過ぎたことだと指摘した。

  KBWの地銀株指数は1日に一時2.9%下落し、同指数採用の少なくとも2銘柄が2桁の下落率でその日の取引を終えた。ファースト・リパブリックの普通株と優先株が売買停止となったが、助けにはならなかった。同行の無担保社債価格は額面1ドル当たり3セント未満の価格が提示された。

  これに対しダイモン氏は電話会見で、危機のこの部分は「終わった」との見方を示し、金利が上昇し続ければ、他の問題が続くかもしれないとも述べたものの、「取りあえず今は誰もが深呼吸をするべきだ」と付け加えた。

原題: First Republic’s Demise Fails to Mark the All-Clear on Banks (1)(抜粋)

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May 02, 2023 at 12:12PM
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