三菱ＵＦＪ銀行が、ＡＩ（人工知能）を使って世界のベンチャー（新興企業）の経営データを日常的に収集・分析し、点数化する投資モデルを年内にも導入することが４日、分かった。伸びしろが大きい創業間もないスタートアップなど、有望な投資先の掘り起こしに活用する。イスラエルのＩＴ企業や米国の投資ファンドと組み、総額約５億ドル（約７００億円）をベンチャーへの投資にあてる計画だ。
具体的には、対象となるベンチャー側の同意を得た上で、日々の売り上げやサービス利用者数、解約状況などの事業・財務データを自動で収集。集めたデータを基に、ＡＩが、その企業の資金繰りや将来の伸びしろなど約１５分野を評価し、点数化する。
三菱ＵＦＪ銀は、この点数を判断材料の一つとして活用し、投資するかどうかを決める。採点基準は、業種や成長段階によっても変えることができ、投資が一律的な基準で判断されないようにする。
従来、銀行はベンチャーなどの中小企業に対し、行員が訪問するなどして経営状況の把握に努めてきた。ＡＩで日々の大量の情報を短時間で収集・分析できれば、労力を大幅に削減でき、投資判断も迅速化できる。
ベンチャー側にとっても、銀行に説明するための資料作りなどの手間が省ける。銀行の投資判断が迅速化し、資金調達が進めば、事業拡大のスピードアップが期待できる。
ただ、データ収集はベンチャー側の同意が前提だ。日本では、経営の重要情報の提供に二の足を踏む企業も少なくない。このため、対象はアジアや欧州に広げ、資金需要の旺盛な電子商取引（Ｅコマース）などのネットサービス企業を想定している。
日本では低金利が長期化し、メガバンクは２０００年代後半頃から、ベンチャー投資に取り組んできた。しかし、ベンチャーへの投資判断の目利きは難しく、損失リスクも高かった。三菱ＵＦＪはＡＩによる投資モデルの導入で、競合行と差別化したい考えだ。
September 05, 2022 at 03:00AM
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【独自】三菱ＵＦＪ銀、ＡＩで世界の有望ベンチャー発掘へ…資金繰り・伸びしろを点数化 - 読売新聞オンライン
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