米下院金融委員会が21日開いた公聴会で、米銀大手 シティグループのジェーン・フレーザー最高経営責任者（ＣＥＯ）は中国軍による台湾侵攻があれば、中国から事業を撤退するかとの質問に回答を余儀なくされた。ＪＰモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンＣＥＯは、ロシア企業との関係打ち切りの有無を問われた。
議員らは米国のリテール銀行大手のＣＥＯらを招いた公聴会で、最近の政治的緊張や論争を招いている社会問題を取り上げた。ロシアによるウクライナ侵攻のエスカレートや人種的平等、化石燃料融資などにも及んだ。
下院金融委員会のウォーターズ委員長
Photographer: Al Drago/Bloomberg
下院金融委員会のウォーターズ委員長は６時間半にわたった公聴会での質問内容の幅広さについて、大手銀行の広範囲にわたる業務を思い出させるものだと指摘。米経済は不安定な状況にあり、数十年ぶりの高インフレはリセッション（景気後退）入り観測を高めている。ＣＥＯらは物価高騰やリセッションリスクの高まりに向き合う消費者を支援するためのアプローチについても言及を迫られた。
米銀最大手を率いるダイモンＣＥＯは、今のところ消費者は好調だが、軽めのリセッションに陥る可能性はあると認め、地政学的事象がそれを悪化させる恐れもあると述べた。
バンク・オブ・アメリカ（ＢｏｆＡ）のブライアン・モイニハンＣＥＯは、消費者がこれまで以上に口座に預金していると述べた上で、インフレと失業が消費者に不利に働いていると指摘した。
ＢｏｆＡのブライアン・モイニハンＣＥＯ
Photographer: Al Drago/ Bloomberg
ＣＥＯらは中国での野心についても厳しい質問に直面した。中国での人権侵害に関する報告や中国の台湾政策を巡る懸念について議員らは尋ねた。ブレイン・ルートケメイヤー下院議員（共和、ミズーリ州）は、台湾が侵攻された場合に中国ビジネスから撤退するかと銀行首脳らに質問した。
シティのフレーザーＣＥＯは、行動を起こす前に米政府に指針を求めると答え、他行と足並みをそろえた。だが、ルートケメイヤー議員は、シティが望むように対応できると政府が回答した場合にフレーザー氏がどうするかを知りたいと追及。フレーザー氏は「仮説に基づく質問だが、かなりプレゼンスを縮小する公算が大きい」と述べた。
ブラッド・シャーマン下院議員（民主、カリフォルニア州）は、ロシア企業との関係に関して銀行を追及した際に「イエスかノー」で答えを求めた。ダイモン氏は米政府からの指示に従っていると回答したため、シャーマン議員の非難を浴びた。
アル・グリーン下院議員（民主、テキサス州）はＣＥＯらに対し、10年以内に有色人種が自行を率いることになるなら挙手するよう求めた。これには トゥルイスト・ファイナンシャルのビル・ロジャース・ジュニアＣＥＯだけが手を挙げた。
民主党議員らは、オーバードラフト（当座貸越）手数料を2025年までに廃止する約束を引き出そうとした。一方、共和党議員らは化石燃料融資の継続にコミットするよう幹部らに迫った。
原題：
Wall Street CEOs Grilled on China, Russia Ties by US Lawmakers（抜粋）
September 22, 2022 at 09:41AM
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米銀大手ＣＥＯを議会が厳しく追及、中国やロシアとの関係巡り - ブルームバーグ
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