東京オリンピック(五輪)48キロ級の銀メダリスト渡名喜風南(26=パーク24)が、体重無差別の日本一決定戦に初挑戦し、81キロ差の対決で初戦敗退した。

2回戦から登場。登録体重が132キロの蓮尾沙樹(北関東綜合警備保障)と対戦し、開始51秒、合わせ一本で敗れた。大外刈りで技ありを取られると、そのまま崩れけさ固めで抑え込まれた。

「素直に怖かったです、持たれると。けがなく終われて良かったです」

圧倒的な体格差に屈した感想を、そう振り返った。

現在の体重は51キロといい「減量しなかったのは高校生以来」。81キロもの差がある中、序盤は旋回して間合いを取り、小外掛けなどを仕掛けたが「全然ビクともしなかった…。78キロ級とか100キロいってないくらいだったら、もう少し長く戦えるかなと思ったんですが」と笑顔で振り返った。

五輪代表は推薦で出場権を得られた今回。「女子の日本一を決める大会。出られる権利があるのなら、いつか。そう思って挑戦しました。少しでも体の小さい人の希望、勇気になればと思ったんですが」と初のチャレンジの理由を語った。

今後のエントリーについては「ないです。もう終わりでいいです」と笑い、代表に内定している世界選手権(10月、タシケント)など48キロ級に戻った際に「諦めずに挑戦し続けたい」と生かす構え。東京五輪の最軽量メダリストにとって、新鮮で貴重な体験となったようだ。【木下淳】