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全銀ネット障害 再発防止に全力挙げねば - 中国新聞デジタル

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 3連休明けの10日朝、決済できず途方に暮れた人もいたのではないか。全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する銀行間の送金システム(全銀システム)で大規模な障害が発生した。

 三菱UFJ銀行や、山口銀行など山口フィナンシャルグループ傘下の3行を含む、10金融機関で他行宛ての振り込みができなくなった。

 復旧まで48時間、255万件の送金処理が遅れた。給与振り込みが滞ったり、決済日に取引できなかったり、暮らしや企業活動に大きな支障が出たことは疑いない。全銀ネットは責任の重さを自覚し、再発防止を急ぐ必要がある。

 全銀システムは、千以上ある、ほぼ全ての金融機関が接続し、取引を処理する決済システムの中核である。2022年12月実績で、1日当たりの他行宛て振り込みは875万件、約14兆円にも上る。

 一般客に影響が出た障害の発生は1973年の稼働以来初めてという。ただ、ひとたび障害が起きれば影響は広範囲に及ぶ。対応が極めて重要なのは分かっていたはずだ。

 障害が起きたのは全銀システムと各金融機関を結ぶ「中継コンピューター」である。今年から29年にかけ、24回に分けて全て更新する予定にしており、今回の10金融機関がその第1陣だった。

 79日の3連休に行った更新作業では、機器の基本ソフトが32ビットから64ビットに変更された。この際にプログラムに設定ミスがあり、部分的な容量不足が生じたことがトラブルを招いたとみられている。

 中継コンピューターは故障などに備え、各金融機関に2台ずつ設置されている。その2台を同時に更新したリスク管理は、トラブル発生を甘く見ていた感がする。また、更新を3連休中に行ったのはうなずけるにしても、初稼働が送金の多い10日になることを、どこまで考慮した対応だったのか疑問も残る。

 21~22年に計10回も繰り返された、みずほ銀行のシステム障害が頭に浮かぶ。業務改善命令を出した金融庁は「顧客への影響に対する感度の欠如。営業現場の実態軽視」と厳しく指摘した。現場を混乱させることの重大性を、改めて思い返すべきだ。

 銀行のシステムは過渡期にあり、大型コンピューターやサーバーを使った従来方式から、クラウドやパソコンで運用する仕組みに変わりつつある。新鋭システムによって高機能な機動的サービス、低コスト実現を迫られる時代を迎えている。

 それでも安全な決済システムが大前提であることに変わりはない。強固なシステムに加え、機能復元に迅速に対応できる体制構築が金融業界に求められるのは当然だ。

 中継コンピューターの更新は来年1月に第2陣が控えている。18日に記者会見を予定する全銀ネットの辻松雄理事長は、障害の詳しい原因を明らかにし、再発防止策を明示する責任がある。併せて各金融機関には、自社の運用システムや更新計画などを、改めてチェックし直す契機にしてもらいたい。

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October 18, 2023 at 04:44AM
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