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全国銀行資金決済ネットワーク(以下、全銀ネット)は2023年10月18日、同年10月10〜11日にかけて発生した「全国銀行データ通信システム」(全銀システム)の不具合について、現時点で判明している内容を公開した。
なお、この障害の影響で三菱UFJ銀行とりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫において他行宛の振込取引ができなくなったと説明している。
全銀システムの障害 タイムラインと原因を公開
全銀ネットは資金決済法に基づく資金清算機関だ。2010年に全国銀行協会の一事業部門から独立して一般社団法人化した。同機関は国内のほぼ全ての預金取扱金融機関が接続する全銀システムを運営している。金融機関はこのシステムを通じて相互間の振込や送金などの処理をオンラインかつリアルタイムで処理している。
全銀ネットによると、インシデントのタイムラインは以下の通りだ。
- 2023年10月7〜9日: 14の金融機関において全国銀行データ通信システムの中継機を新機種(23シリーズ)に更改を実施
- 2023年10月10日: コアタイムシステム通信開始(午前8時30分)後、三菱UFJ銀行とりそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、山口銀行、北九州銀行、三菱UFJ信託銀行、日本カストディ銀行、もみじ銀行、商工組合中央金庫において更改した中継機で電文の送受信ができなくなる
- 2023年10月10〜11日: 中継機を使用せずにデータファイルや媒体で影響を受けた金融機関とやりとりするというバックアップ手段で対応
- 2023年10月11日: 暫定対処においてエラーを解消
- 2023年10月13日: 金融庁から資金決済に関する法律第80条第1項に基づく報告徴求命令を受領
- 2023年10月18日: 同インシデントを発表
なお、全銀ネットはインシデントの原因を以下のように説明している。
- 中継機に設定されたテーブルを中継機が参照する処理でエラーが発生し、異常終了したことが障害の原因。電文1件ごとに支払う内国為替制度運営費について「あらかじめ中継機に設定されたテーブルを参照して中継機が電文に金額を入力する」方法を採用していた金融機関がこの障害の影響を受けた
全銀ネットはインシデントに関する事実の認識や課題認識、障害の発生原因分析、改善や再発防止策などについて取り組みを進めている段階にあるとしており、2023年10月18日時点で判明している内容の発表にとどまっている。より詳細な報告に関しては金融庁への中間報告も含めて2023年11月末までに実施する予定としている。
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October 20, 2023 at 05:00AM
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