東京五輪銀メダリストの稲見萌寧(22=都築電気)が今季7勝目、史上3番目の若さでの通算8勝目に王手をかけた。首位から出て4バーディー、1ボギーの69。通算10アンダー、134で2日続けて首位をキープした。1打差の2位に9アンダーの高橋彩華。楽天スーパーレディースで初優勝の吉田優利が8アンダーで3位につけた。

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五輪銀メダルに続く新たな勲章に、稲見が近づいた。この大会に優勝すれば22歳24日での通算8勝目は、宮里藍の19歳337日、横峯さくらの21歳305日に続く史上3番目の若さでの達成となる。

偉大な記録へのラウンドだったが、風と微妙なピンポジションに苦しんだ。序盤の3ホールで2バーディーと伸ばし、前半は3バーディー、1ボギー。後半はチャンスにパットが入らず、14番パー4のバーディー1つだけ。それでも、1度も首位に並ばれることなくプレーを終えた。

「(内容は)60点ぐらい。もうちょっと低くてもいいが、とりあえず60台で回れたし、最低限で首位をキープできたから」と自己評価は辛口だった。セカンドショットなどで「悩みながら」プレーしたというが、ボギーは1つ。ティーショットは安定してフェアウエーをとらえ、スキのないゴルフを見せていた。

ショットの安定感は、オフの肉体強化が実を結んでいる。キックボクシングのトレーニングばかりが取り上げられるが「キックは最後の10分ぐらい。普通のトレーニングがメインなんです。それで体が大きくなったし、体力もついた」と安定感につながっている。

コロナ禍の影響で昨年と統合シーズンとなり試合数は多いが、シーズン7勝は不動裕理の10勝に次ぎ、19年の鈴木愛らと並んで史上2位の記録。そんな記録にも「記録より私は1個1個勝つことが大事。そのために明日もしっかり伸ばしていきたい」と目の前の優勝に全力を注ぐ決意を口にした。【桝田朗】