仕事中の事故で右腕を失ってから8年。トライアスロン男子(運動機能障害PTS4)の宇田秀生(ひでき)(34)が28日、東京パラリンピックで銀メダルを獲得した。高校時代には滋賀県選抜に選ばれたこともある元サッカー少年。自慢の脚力を生かし、バイク、ランで追い上げる真骨頂のレースを展開し、トライアスロンで初のメダルを日本にもたらした。
日の丸を握りしめた左手でガッツポーズを繰り返しながら、フィニッシュラインを駆け抜けた。「今まで支えてくれた家族や友達、すべての人の顔を思い出しながら走った。非常に幸せな時間だった」。涙声で万感の思いを口にした。
滋賀県信楽町(現・甲賀市)出身。小学1年のときに兄の影響でサッカーを始めた。県立水口高校時代には県選抜に選出され、1学年下で元日本代表MFの乾貴士ともプレーした経験がある。
平成25年5月、勤務先の建設会社で作業中、ベルトコンベヤーのローラーに右腕を巻き込まれ、肩甲骨から先を切断。妻の亜紀さん(38)と入籍して、わずか5日後の悲劇だった。ペットボトルのふたを開ける、ネクタイを結ぶ―。利き腕を失い、これまで当たり前だったことができなくなった。途方に暮れる宇田の支えとなったのは、妻の献身や友人の応援だった。
事故から半年後、リハビリの延長で始めた水泳をきっかけに、トライアスロンという競技を知った。27年6月の初レースでいきなり準優勝。2カ月後のアジア選手権では早くも優勝を飾った。29年には世界ランキング1位まで上り詰め、東京パラリンピックでの表彰台を視界にとらえた。
強みはサッカーで鍛えた脚力だ。ストロークが片腕となるスイム(0・75キロ)で出遅れるのは織り込み済み。8番手でスタートしたバイク(20キロ)では「踏めるだけ踏んで、あとはどうにでもなれ」と一気にメダル圏内の3番手まで追い上げた。ラン(5キロ)でも「最後まであきらめずに前だけを見て走った」と懸命に左腕を振り、2位に浮上。銀メダルという結果に「できすぎです。百点満点」とうなずいた。
不慮の事故をきっかけに出合ったトライアスロン、そして巡ってきたパラリンピックの大舞台。「右腕を失ってからここまでいろいろあったけど、結果オーライ。今はすごく幸せです」
(石橋明日佳)
August 28, 2021 at 10:11AM
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トライアスロン銀、宇田秀生 利き腕失った元サッカー少年の挑戦 - 産経ニュース
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