【山梨】東京五輪レスリングの男子グレコローマンスタイル60キロ級に出場した韮崎市出身の文田健一郎選手（25）が2日、銀メダルを獲得した。「研究された中でよく戦った」。母校の韮崎工業高校では、レスリング部の監督として指導してきた父親の敏郎さん（59）らが、頂点を目指した戦いをたたえた。
午後8時前、キューバ選手との決勝戦が始まった。同校視聴覚教室には、敏郎さんや部員、OBら約40人が集まった。市のパブリックビューイングが中止になる中、感染対策を徹底してのテレビ観戦。キューバ選手に敗れた瞬間、重苦しい空気に包まれたが、やがて大きな拍手がわき起こった。
文田選手から指導を受けたこともある3年の大村幸誠さんは「対策された中で大変だったと思いますが、最後までポイントを取ろうとした姿に感動しました」。敏郎さんも「よくやった。本人が一番悔しがっていると思う」とねぎらった。
敏郎さんによれば、文田選手は、小学生の頃は強くなかった。「でもその悔しさが育ててくれた」
本格的に競技を始めたのは中学生になってから。高校3年でインターハイを制した。「このころから、ひょっとして、と思うようになった」という。
2013年、五輪の東京招致が決まった時に「金を取りに行くぞ」と約束した。19年には、けがを克服して世界選手権で優勝するなど五輪の頂点に向け準備を整えてきた。
約束した金メダルには届かなかった。「負けの悔しさをもち続け次のパリにつなげてほしい」
レスリングの日本男子チームとしては先陣。この後、3人の県勢の試合が続く。「健一郎が取れなかった金メダルをぜひ取ってほしい」とエールを送った。（永沼仁）
August 03, 2021 at 07:00AM
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レスリング文田が銀 [レスリング] - 朝日新聞デジタル
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