【パリ=白石透冴】スペインの大手銀BBVAは16日、米国事業を2021年半ばにも116億ドル（約1兆2千億円）で米地銀大手PNCに売却すると発表した。新型コロナウイルス禍などで米国事業が伸び悩んでおり、売却でスペインや南米などの事業に集中する。
スペイン銀BBVAは米事業を売却する=ロイター
金融機関のM&A（合併・買収）としては、2008年のリーマン・ショック以降で最大級の案件となる。
BBVAは2007年に米国事業を買収した。資産は約1040億ドルで、テキサス州やアラバマ州など米国南部に多く顧客を持つ。PNCは南東部で強く、買収効果は大きいと判断したようだ。発表によると、PNCは今回の買収で資産ベースで米5位の銀行となる。
全米に拠点を持つ上位大手銀が資金力で圧倒する中、顧客基盤の拡大で競争力を高める。BBVAは「財務状況がさらに強固になり、経営の自由度が高まる」とのコメントを発表した。PNCは「国内事業を強くする戦略を加速できる」としている。
世界の銀行ビジネスは中央銀行による低金利政策という逆風に、今年はコロナ禍が加わった。スペインでは9月、大手銀カイシャバンクとバンキアが経営統合すると発表するなど、再編が加速している。
November 16, 2020 at 05:30PM
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スペイン銀BBVA、米事業を1兆2000億円で売却 - 日本経済新聞
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