西川善文さん死去三井住友銀初代頭取 - 東京新聞

gin.prelol.com

　大手銀行の再編を主導した元三井住友銀行頭取で、日本郵政社長も務めた西川善文（にしかわよしふみ）さんが十一日、死去した。八十二歳。奈良県出身。葬儀・告別式は近親者で執り行う。

　一九六一年、旧住友銀行に入行。副頭取を経て九七年、頭取に就任。二〇〇一年に住友銀とさくら銀行が合併して誕生した三井住友銀行の初代頭取に就き、翌年十二月に持ち株会社の三井住友フィナンシャルグループ社長を兼任し、〇五年に特別顧問に退いた。

　民営化前の〇六年一月に発足した日本郵政の社長に就任。ゆうちょ銀行など新会社の事業計画を盛り込んだ民営化実施計画の骨格策定など、郵政民営化に向け、陣頭指揮に当たった。民主党政権発足の直後、郵政民営化方針の見直しを受けて辞任した。

　旧住友銀行では早くから頭取候補に挙げられていた。「大物バンカー」として知られた磯田一郎氏に仕え、経営難に陥った取引先の旧安宅産業の破綻処理や平和相互銀行の吸収合併などで実績を上げ、頭角を現した。八年にわたる頭取在任中は、旧財閥系の垣根を越えた、旧さくら銀との経営統合を実現させるなど、強力なリーダーシップを発揮した。

　〇四年には経営難から金融再編の焦点となっていた旧ＵＦＪグループを巡り、旧三菱東京フィナンシャル・グループと争奪戦を展開。旧住友信託銀行とタッグを組み統合交渉に割り込んだが実らなかった。