2022年08月23日07時07分
3メガバンクがスタートアップ企業への支援を加速させている。スタートアップ育成は岸田政権の看板政策「新しい資本主義」の実行計画で重点課題に掲げられた。日本経済の成長エンジンになると期待されており、各行は融資の「目利き」を配置するなど体制を強化し、新たな収益の柱にすることを目指す。
スタートアップは、これまでなかった製品やサービスで短期間に急成長する新興企業を指す。新しい資本主義の実行計画は、国内の起業率が「米国や欧州主要国と比べ低い水準で推移している」と指摘。2021年のベンチャーキャピタル投資額は、日本が2300億円だったのに対し、米国は約160倍の36兆2000億円とその差は歴然だ。成長力の底上げには、スタートアップ育成のための投融資強化が欠かせない。
3メガバンクは専門部署を設け、資金・人材面の援助や新規株式公開(IPO)の支援に注力している。大企業との連携を後押しするイベントも定期的に開催。みずほ銀行主催のイベントに参加した仮想現実(VR)関連事業を手掛ける「HIKKY」(東京)の舟越靖最高経営責任者(CEO)は「スタートアップはつてがないため、金融機関が一気通貫した支援をしてくれるのはありがたい」と語る。
スタートアップは創業当初は赤字決算で、土地など担保となる資産を持たない企業が多い。みずほ銀は、事業の将来性や技術の革新性を見極める専門人材を配置した邦銀初の審査室を4月に新設した。三井住友銀行は、他のメガバンク2行と商工中金、静岡銀行が参加するシンジケートローン(協調融資)で銀行団のまとめ役(アレンジャー)を担う。三井住友銀は「(各行の)競合という意識はあまりなく、協力して日本の産業振興に貢献したい」(成長事業開発部)と話す。
スタートアップ関連の収益や資金需要は増えつつある。みずほ銀では21年度の関連収益が19年度比3割伸びており、23年度には同じく19年度比で2倍に拡大させる目標を掲げる。三菱UFJ銀行は「資金面も含めニーズが年々強くなっている」(成長産業支援室)と手応えを示す。
August 23, 2022 at 05:07AM
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3メガ銀、スタートアップ後押し 「目利き」配置、体制強化―新たな収益の柱に - 時事通信ニュース
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