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銀価格の急落、金利上昇と工業用需要減退が重荷 - Wall Street Journal

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 銀価格が数年ぶりの急速なペースで下落している。

 金利上昇期待と製造業活動の減速を背景に、ここ4カ月の銀相場は2014年11月以来の軟調さとなった。銀先物の期近物はその間、21%超下落し、1トロイオンス=22ドル前後となっている。

 銀は貴金属であると同時に、宝飾品やソーラーパネル、半導体などさまざまな製品に使用される工業材料でもある。現在、目前に迫った世界的な金融緩和策の縮小が貴金属価格を下押しするのと同時に、世界的な生産障害やエネルギー不足、製造業の減速によって工業用需要が減退している。

 銀は6日の取引で0.3%安の22.51ドルと、1年ぶり安値近辺に沈んだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の追跡対象のうち、今年に入りパフォーマンスが最低の資産の一つとなっている。ファースト・マジェスティック・シルバーやヘクラ・マイニングといった貴金属採掘会社の株価は7-9月期に25%余り急落。グローバルXシルバー・マイナーズETF(上場投資信託)は約18%下落した。

 HSBCの貴金属主任アナリスト、ジェームズ・スティール氏は「あらゆる貴金属が現在、予想を下回る工業用需要や、連邦準備制度理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)政策の転換とドル高の組み合わせに反応している。これら全てが金属の弱材料となる複合要因を作っている」と述べた。

 投資家が経済成長や物価上昇を予想する時には、株式などの高リスク資産や、債券など収益を生む資産の魅力が高まり、銀や金は下落する傾向がある。9月にはその下げが加速した。FRBが、インフレ上昇は予想以上に長引く恐れがあるとして、11月に資産購入縮小に着手する用意があるとし、来年に金利を引き上げる可能性も示唆したためだ。金価格は7-9月期に0.9%下落し、今年最もパフォーマンスの悪い資産の一つとなっている。

 最近の債券利回りの上昇はドル高に拍車をかけ、海外の買い手にとってドル建て商品が割高になったことから、銀などの金属にも重荷となっている。

 主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は1年ぶり高値近辺で推移している。

 9月21日までの週の米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドなどの投機筋がこのところ銀への慎重姿勢を強め、銀の買越額は2019年6月以来の低水準となった。

 今年に入りデイトレーダーが銀市場に殺到し、銀価格は一時29.40ドルまで上昇したが、このところの売りは潮目の反転を示している。銀は今年、1日の上昇率としては10年以上ぶりの高さを記録したが、その後に約25%下落している。

 スタンダードチャータードの貴金属アナリスト、スキ・クーパー氏は、今年に入り銀が買われた要因の一つとして、インフラ投資の拡大により再生可能エネルギー源の利用が急増するとの期待があったと指摘する。銀は太陽光パネルに使用されている。

 産業界の動向が改善され、チップ不足が解消されれば、銀価格は回復基調となり、長期的にはより健全な見通しになるとクーパー氏は言う。

 同氏は「そうした需要が実現することを見越した買いが大量に入っていた。従って、進展に何年も掛かることを踏まえれば、投資家の関心が低下するのも当然だ。早いうちから市場に飛び込んでいたのだから」と語った。

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October 07, 2021 at 06:55AM
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