プロ野球ドラフト会議が11日、都内で行われる。県内高校生で唯一、NPB(日本野球機構の12球団)入りを目指してプロ志望届を提出した三島南の前田銀治外野手(3年)は、自然体で運命の日を迎える。前日の10日は、同校で後輩たちと練習。現在、毎日のように行う“日課”だ。いつもと変わらない日を過ごすと、「今は待ち遠しい、楽しみという気持ちの方が大きい」と心境を明かした。

県選手権4回戦で敗れた今夏の引退後も、練習を続けた。木製バットを振り込み、両翼のポール間をダッシュ。週3日はジムにも通い、筋トレに励んだ。「練習量を意識した。状態も上がってきている」。この日、フリー打撃では左翼へ推定130メートル弾。プロ入り後の準備を進めてきた。

志望届提出後は、11球団から調査書が届いた。三島南からプロ入りとなれば、1965年のドラフト制度導入後では初となる。前田は「どの球団でも、育成でも行きたい。その思いは変わらない」と、改めて夢への強い思いを口にした。

大事な日の前日は「早寝」がルーティン。右翼フェンス直撃の三塁打を放つなど、スカウトの評価を急上昇させた今春のセンバツ前日も、午後8時半に床に就いた。「今日も早く寝ます」と笑った前田。吉報を待つだけだ。【前田和哉】