千葉県内に拠点を置く地方銀行3行の2023年9月中間決算が出そろった。取引先企業への融資が増えたことなどで、京葉銀行と千葉興業銀行は本業のもうけを示すコア業務純益(単体)が増益となった。県内経済は持ち直しの動きが続いているが、企業倒産も増えている。各行のトップからは、金利上昇が与える影響など先行きには注意が必要だとの声が上がった。(近藤咲子)
企業の最終的なもうけである純利益は3行とも減益となった。千葉銀行では、リスクの高い金融商品「仕組み債」の販売を昨年停止した影響から、子会社のちばぎん証券が赤字に転じたことなどが響いた。
一方で、コア業務純益は、京葉銀と千葉興銀の2行が増益だった。設備投資などに使うための中小企業向け融資が増えたことが要因で、京葉銀では中間期としては5年ぶりに貸出金利息が増収になった。
2024年3月期の見通しについては、京葉銀と千葉興銀は純利益を前回から上方修正し、それぞれ15億円、1億円引き上げた。千葉銀は過去最高となる610億円で据え置いた。
国内外の金利上昇の影響が顕在化してきている。
金利が変動することで競争激化が見込まれる住宅ローンでは、千葉銀が貸出金を前年同期から1045億円増やした一方、千葉興銀は328億円減少した。同行では「新規参入のネットバンクなどが低金利で勝負しており、競争が激化していくと収益が上がりづらい」(梅田仁司頭取)。
また、千葉銀と京葉銀は定期預金の金利引き上げを決めた。千葉銀の改定は16年ぶり。京葉銀では今月13日から、5年定期預金の金利を0・002%から0・07%に引き上げた。
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改善傾向にある県内の経済動向は今後どうなるのか。千葉興銀の梅田頭取は「価格転嫁が進まず企業の収益力が低下している」と指摘する。「中東情勢や金利の動向など不透明な要因もあり、県内経済の行方には留意する必要がある」(京葉銀・熊谷俊行頭取)と慎重な声もあった。
コロナ禍で実施された実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済が進むなか、倒産が増えている。帝国データバンクによると、4~10月の県内企業の倒産件数は161件で、前年同期より約17%増。10月の25件を業種別にみると、建設業とサービス業が各7件で最も多く、小売業と運輸・通信業が各3件と続いた。
千葉銀の米本努頭取は「廃業を含めた実質倒産件数も、小口融資先を中心に増加傾向にある。中にはゼロゼロ融資の利用先も多数含まれている」。物価高や人手不足が収益を圧迫しているのが原因とみられる。ゼロゼロ融資について、京葉銀の熊谷頭取は「足元では9割ぐらいは順調に返済されてきているが、一部資金繰りの見直しが必要な顧客もいる」と話した。
また、国内の金利上昇が与える影響も注視している。千葉銀の米本頭取は「不動産取引への影響や事業者の設備投資の抑制が考えられる。取引先中小企業の業績、住宅ローンの個人顧客の生活にも関わるため、丁寧に対応したい」とした。
November 17, 2023 at 07:21PM
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千葉拠点の地銀3行、純利益は減少 千葉銀は仕組み債問題が足かせに:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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