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米銀破綻の次の不安は金融危機のカナリアを探せ | 太田智之のホンマの経済 | 太田智之 - 毎日新聞

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根強い金融不安への懸念

 過去に類をみない速さで進む預金流出から、専門家の間で「バンク・ラン(駆け込み)」ならぬ「バンク・スプリント(全力疾走)」と評された米国のシリコンバレー銀行の破綻から4カ月が経過した。市場の動揺は収まり、ひとまず危機の封じ込めに成功した格好だが、金融危機再燃への不安はいまだ根強い。

 今回露呈した米銀問題は低インフレ・低金利のもとで蓄積された「ゆがみ」のごく一部に過ぎず、「まだ根深い問題があるはずだ」と多くの人が感じていることが背景にある。

 実際、米大手証券リーマン・ブラザーズが破綻した世界金融危機の連鎖は、2007年4月の低所得層向け高金利住宅ローン「サブプライムローン」専業大手ニュー・センチュリー・フィナンシャルの倒産という小さなほころびから始まった。その後、震源地の米国はもとよりドイツ、フランス、英国など欧州にも拡散したのは周知の通りだ。

過度な悲観は禁物

 今回の米銀破綻が危機拡散の端緒だとすれば、今後どのような展開をみせるのか気になる読者も多いだろう。ちまたではリーマン・ショックの再来と身構える人たちもいるようだが、当時との類似点だけでなく相違点にも留意する必要がある。

 まず大きな違いが危機の火種となる信用膨張の所在と規模である。世界金融危機の火種は、サブプライムローンを中心とした家計債務の膨張だった。当時の住宅ローン債権は国内総生産(GDP)の7割程度、問題となったサブプライムローンだけでもGDPの15%に相当する規模である。

 対して、今次局面で問題となっているのは、コロナ禍によるオフィス需要低迷や金利上昇で資金繰りが厳しくなっている不動産向け貸し出しが中心だ。その不動産向け貸し出しの規模は現時点でGDPの5%程度にとどまる。

 また金融ショックに対する銀行システムの頑健性も異なる。当局による規制強化もさることながら、他金融機関からの負債調達を抑制することで…

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July 05, 2023 at 03:00AM
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