米カリフォルニア州の地方銀行持ち株会社 パックウエスト・バンコープは25日、同業の バンク・オブ・カリフォルニアと株式交換を通じて合併すると発表した。
バンク・オブ・カリフォルニアの名称を統合後も継承し、実質的には規模で劣る同行による「小が大をのむ」買収となる。今年に入り一連の地銀破綻を招いた銀行セクターの混乱を乗り切ることを目指す。
パックウエストの株主は、１株当たりバンク・オブ・カリフォルニアの普通株約0.66株を受け取る。同行のジャレド・ウルフ最高経営責任者（ＣＥＯ）が統合後の新会社を統括する。買収手続きは今年後半か2024年初めに完了する予定。
合意の一環として、米プライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）投資会社ウォーバーグ・ピンカスとセンターブリッジ・パートナーズが総額４億ドル（約564億円）を出資し、新会社の株式約20％と追加取得のためのワラントを得る。
パシフィック・ウエスタン・バンクの支店のロゴ（2023年６月、カリフォルニア州）
Photographer: Kyle Grillot/Bloomberg
ホールセール借り入れ130億ドルを返済する目的で、両行は資産売却も進める。新会社の資産額は約360億ドルと、３月末時点のパックウエスト単体の資産額より少なくなる見込み。
25日の米株市場で、パックウエストの株価は27％安で終了。バンク・オブ・カリフォルニアの株価は一時22.3％上昇した後、11.2％高で取引を終えた。
低金利時代に買い入れた債券の価値が金利上昇で目減りし、預金の引き出しも集中する状況で、一部の地銀は損失覚悟の資産売却を余儀なくされ、今年に入りカリフォルニア州とニューヨーク州を拠点する地銀の経営破綻が相次いだ。バンク・オブ・カリフォルニアによるパックウエスト買収には、両行に対する信頼を強化する狙いがある。
バンク・オブ・カリフォルニアの資産額は３月末時点で100億ドルとパックウエストの４分１未満。しかし、今年１－３月（第１四半期）の預金流出は比較的少なく、年初来今月24日までの株価の下落率も17％と、パックウエストの54％と比較すると穏やかだ。
両行の統合後の総貸付額は253億ドル、総預金額は305億ドルとなり、カリフォルニア州の支店数は70を上回る見通しだ。
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原題： PacWest to Be Sold to Banc of California in Latest Rescue Deal（抜粋）
(貸付債権や預金の状況を追加して更新します)
July 26, 2023 at 03:39AM
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