七十七銀、人材関連の子会社開業後継者候補紹介や採用活動支援 - 河北新報オンライン

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2023年1月5日 6:00

　人材関連事業を担う七十七銀行の子会社「七十七ヒューマンデザイン」が４日、仙台市青葉区の同行本店ビル内に開業した。地元中小企業に後継者候補や専門職といったニーズの高い人材を紹介する他、人口減を見据えてＵＩＪターンや新卒採用の支援にも乗り出す。

人材紹介会社と提携

　七十七銀の１００％出資で、資本金は１億円。２０２２年８月の設立で、有料職業紹介業務などの許可を取得し、役職員８人体制でスタートした。

　七十七銀は銀行本体で２０年に有料職業紹介事業を始め、２１年度には紹介件数が約１０００件に上った。こうしたニーズに対応するには専門性をより高める必要があるとして、子会社として独立させて関連する事業領域を拡大させていきたい考えだ。

　宮城県内外の人材紹介会社約１０社と提携し、七十七銀の営業店などが取引先から聞き取った人材のニーズに応じてマッチングを図る。幹部候補やシニアの紹介に加え、専門人材のシェアリングにも対応する。

　地方の人口減少が進む中、地域企業の採用強化や人事制度の見直し、人材育成も支援する。中小企業の研修先となる大企業と提携し、教育機会を提供する。

若手、専門職不足の解決策提供　｜庄司大志社長に聞く

　七十七銀行の７社目の子会社として「七十七ヒューマンデザイン」が業務を始めた。七十七銀地域開発部副部長から新会社のトップに就いた庄司大志社長に事業の目的や今後の展望を聞いた。（報道部・菊間深哉）

　－新会社の目的は何か。

　「地域の中小企業から『若い世代の人手が足りない』『専門分野に詳しい人がいない』『経営者の右腕になる人材がいない』といった声を聞く。人口減のスピードが非常に速く、人材不足で地域経済が持続できなくなる危機的な状況だ。地域に役立つため、人材関連の多様なニーズに応える総合的な企業を目指したい」

　－事業内容は。

　「約１０社の人材紹介会社と提携し、地域企業の求める人材とマッチングする。スタートアップ企業などが専門人材を直接雇用ではなく、プロジェクト単位で活用したい場合も紹介可能だ。一方で、地方銀行の子会社という独自性を出すためにも、提携先に頼るばかりではなく独自の求職者データベースを構築していくことが課題だ」

　－どう展望を描くのか。

　「人材紹介だけではなく、人材を入り口にして新たな事業領域を研究し、開拓していく。例えば人材はゼロから育てるのも大事だが、スピード感を大切にするなら、他社と資源を共有することも重要だ。中小企業と大企業が人材交流して、互いに研修や訓練を受けることで地元企業が強くなれる。こうした分野でも課題解決策を提供したい」