メダリストの指導を力に-。ヤクルト並木秀尊外野手(22)が、自慢の走力に磨きをかけた。「担当スカウトさんに紹介されて」と北京オリンピック(五輪)の陸上男子400メートルリレー銀メダリストの高平慎士氏に師事。最先端のメカニズムを学んだ。

独協大3年時の大学日本代表選考合宿では、1歩目を踏み出してから計測する変則的な50メートル走で5秒32をマーク。正式な50メートル走の日本記録は朝原宣治の5秒75で、ウサイン・ボルトは5秒47。単純な比較はできないが、球界屈指の爆発力を持つ。高平氏の前で快足を披露すると「素晴らしい。体がうまく使えている」と絶賛された。

欠点としてダッシュ中に足が流れ、力が逃げていると指摘された。体の軸や足の運び方などをみっちり3時間教わった。もも上げのように上体の角度を上げる走り方に変更。「重心が少し高くなったが足の運びは良くなった」とうなずいた。

並木は今季4盗塁のみ。「プロに入って、間合いや捕手の肩の強さだったり、簡単に走らせてくれない難しさは痛感した」と引き締める。このオフはスタートの切り方やベースランニングの改善に力を注いでいる。盗塁の技術と脚力をさらに高め、走塁のスペシャリストへ。並木の成長がチームの連覇へのカギになる。【湯本勝大】

◆並木秀尊(なみき・ひでたか)1999年(平11)3月23日埼玉県生まれ。草加市立八幡小2年時で野球を始め、市川口(埼玉)では甲子園出場なし。独協大ではリーグ通算24盗塁。首都2部のベストナインを3度受賞。20年ドラフト5位でヤクルトに入団。今季は1軍で27試合に出場。打率2割5分、0本塁打、2打点、4盗塁。170センチ、70キロ。右投げ右打ち。