女王ENEOSがデンソーを下し、前人未到の9連覇を達成した。通算26度目の優勝。第31~38回大会を制したユニチカ山崎を超える「V9」となった。大会MVPは東京オリンピック(五輪)代表の林咲希(26)が選出された。

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遠い位置から放たれたシュートは放物線を描き、この日も次々とリングに吸い込まれた。東京オリンピック(五輪)でも日本の得点源となった林が、前半だけで3点シュートを5本試投して4本成功させ、チームを勢いづかせた。終わってみれば5本の外角シュートを含む17得点。試投4本すべてを成功させて16得点だった前日に続く活躍に、「自分の出せる力を出しきろうと試合に入った」とうなずいた。

前年の皇后杯はけがのためコートに立てなかった。同様に1年前の決勝に出場できなかった渡嘉敷や梅沢とともに、その悔しさを晴らした。大会MVPにも選ばれ、「びっくりしているのが正直な気持ち」と戸惑いつつ笑顔。「パスをしてくれるみんながいるからスリーを打てている」と仲間に感謝した。

今年の夏は東京五輪銀メダルの原動力となり、秋にはアジア杯で日本代表の主将を務めて5連覇に貢献。皇后杯ではMVP獲得と、まさに飛躍の年となった。