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FTX破綻、銀行に波及 取引先の米銀は預金7割減(写真=AP) - 日本経済新聞

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【ニューヨーク=竹内弘文】暗号資産(仮想通貨)交換業大手FTXトレーディングの経営破綻の影響が、銀行にも飛び火してきた。FTXと取引がある米銀持ち株会社シルバーゲート・キャピタルでは取り付け騒ぎが発生し、預金が7割減った。規制当局の監督下にあり、預金保険制度の対象となる銀行に仮想通貨を巡る混乱が波及し、銀行規制の強化につながるとの指摘もある。

シルバーゲートは5日、仮想通貨に関連する企業や投資家からの米ドルなどの預金が2022年10~12月期に81億ドル(約1兆800億円)減少したと発表した。3カ月の間に7割に相当する預金が引き出された。

10~12月期に52億ドルの保有証券を売却し、本来売る予定のなかった満期保有目的債券も手放すなど資金の捻出を急いだ。コスト抑制のため従業員の4割に相当する約200人の削減計画も発表。アラン・レーン最高経営責任者(CEO)は5日の経営説明会で「預金を上回る手元流動性がある」と強調した。

ただ、レーンCEOは「預金減少に歯止めがかかったとは言えない。先行きを予測するのは不可能だ」とも述べた。同社の株価は5日だけで4割超下落し、22年夏の直近高値から9割あまり低い水準を付け、仮想通貨関連に傾斜した経営の先行きを不安視する。

シルバーゲートはカリフォルニア州を拠点に1988年に設立した。2013年から仮想通貨関連の事業に注力し、他の銀行が受け付けない仮想通貨関連の事業者に、預金口座や決済サービスを提供して急成長した。法定通貨に連動した値動きを目指すステーブルコインの裏付け資産の一部も預かり、仮想通貨業界のエコシステム(生態系)の中核になっている。

14年以降、22年9月までに約30倍に膨らんだ預金は、昨年11月のFTX破綻を機に減少に転じた。仮想通貨の相場が急落するなか機関投資家は米国債など安全資産へ資金を移すため預金引き出しに動いた。同行がFTXから預金を受け入れていたことから不安に駆られた預金者の引き出しもあったもようだ。

米連邦準備理事会(FRB)のデータによると、シルバーゲートは資産規模で米商業銀行106位、22年9月末時点の総預金131億ドルは商銀全体の0.07%にとどまる。金融システム全体への打撃は現時点で極めて限定的とみられる。ただ、規制当局の監督下にある同行が経営問題に直面したことは、銀行監督の議論に影響しそうだ。

FRBや米連邦預金保険公社(FDIC)などは3日の声明で「仮想通貨に特化した(銀行の)事業モデルに、安全性・健全性の観点から重大な懸念がある」と警告した。

米投資銀行カウエンのジャレット・セイバーグ氏はシルバーゲートの預金急減を機に「規制当局は、銀行が仮想通貨業界と取引する場合の指針を示すことになるだろう」とみる。

FTXの破綻は、仮想通貨の交換業やレンディング(融資業)、運用会社と幅広く飛び火し、損失の全容はまだみえない。高利回りを約束して仮想通貨を集め、リスクの高い投融資をしていた融資業の米ブロックファイは連鎖破綻した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは5日、同業の米ジェネシスも、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条(チャプター11)適用申請を検討していると伝えた。

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January 06, 2023 at 05:14PM
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