ボクシングIBF世界ミニマム級5位重岡銀次朗(23=ワタナベ)が、4月16日に東京・代々木第2体育館で同級王者ダニエル・バラダレス(28=メキシコ)と再戦する方向となった。

6日にエディオンアリーナ大阪で開催された同タイトル戦では、偶然のバッティングにより王者側が試合続行不可能に陥って無効試合となった。一夜明けた7日、両陣営と興行主の亀田興毅氏(36)が大阪市内でそろって会見。IBFの最終判断を待ち、実現に向けて動き出すことで合意した。

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無効試合の裁定から一夜明け、両陣営、IBF、興行主の動きは素早かった。大阪市内で重岡陣営のワタナベジム渡辺均会長、王者陣営のプロモーター、アレハンドロ・ブリトー氏、IBF立会人のベンジャミン・ケイルティー氏、3150FIGHTファウンダー亀田氏がそろって会見。即再戦の実現に向けて動きだしていると明かした。

IBF立会人によると、IBFのダリル・ピープルズ会長と世界戦を管轄する選手権委員会に向けて再戦を要請する報告書が提出された。1週間程度でIBFの選手権委員会で協議され、結論が出る見通し。渡辺会長は「重岡からは『再戦できるなら、やらせてほしい』と希望されている。今回の件はたくさん言いたいことはあるが、IBFから再戦という理解があるならば、我慢したい」と王者陣営に理解を求めた。

一方のブリトー氏も「再戦したい意思を持っている」と非常に前向きな姿勢だった。重岡の強さを認めており、「タフで素晴らしい日本人ボクサーだと認識していた。さらに今回、レベルも上がっていた。強い日本人に勝ち、メキシカンの強さを証明したかったので再戦したい」と強調した。

IBFはバラダレス-重岡戦の勝者と同級3位レネ・マーク・クアルト(26=フィリピン)との指名試合を義務づけている。亀田氏は「IBFが(再戦を)最終判断するはず。4月16日の代々木第2体育館の3150ファイトに再戦カードを入れられたらいいと思う」と実現への手応えを示した。【藤中栄二】