「生涯無敗男」が初の世界戦に挑む。6日にエディオンアリーナ大阪で行われる「3150FIGHT」出場選手の前日計量と会見が5日、大阪市内のホテルで行われた。亀田興毅ファウンダー(36)が初めて世界戦を手がける。IBF世界ミニマム級タイトルマッチは世界初挑戦の同級5位重岡銀次朗(23=ワタナベ)がリミット47.6キロでクリア。アマ時代から事実上無敗の男が戴冠を宣言した。同ジムでWBO同級王者谷口将隆(28=ワタナベ)もリミットでパスした。

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髪を勝負カラー「桜色」に染めた重岡が鍛え上げた肉体を誇示した。「ついにこの日が来たなと思っている」。初めて立つ夢の舞台に向けても緊張感はかけらもない。「お互い計量もクリアして明日、試合できるのがうれしい」と言った。

王者ダニエル・バラダレス(28=メキシコ)も47.5キロでクリアした。その王者は来日時から重岡を「しゃべりすぎだ」と“口撃”してきた。動画で見たインタビューで重岡の「5回までに倒す」発言にカチン。「試合が終わったら引退させたいぐらい」と怒りをあらわにしていた。

重岡は「それぐらい言うでしょ」と一蹴し、「相手も不安があると思った。向こうの方がいっぱいしゃべってるし。俺の方が落ち着いているし自信もある」。かみついてくる王者の言動を「不安」と決めつけた。

試合をプロモートする興毅氏が「ボクシング界の新たな怪物」と絶賛する。アマ戦績は56勝1敗だが、兄優大との対戦を避けての不戦敗。プロでも8戦8勝(6KO)と「事実上の生涯不敗」が肩書。なぜ負けないのか。重岡自身も「何でだろう。自分でも分からない。『運』と言ったらダメですか」と言うほどだ。

「不敗神話」は世界戦の舞台に持ち込む。「明日もこれに頼ります」と、負けない自信を胸に王者と対峙(たいじ)する。「俺がこんなところで負けるはずないと、マジで思ってるんで。自分のパンチが自然に当たると思う。楽しみしかない」。最軽量級で新モンスターが誕生するか。重岡が階級を超えたポテンシャルを爆発させる。【実藤健一】