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かつての名門・新生銀、厳しい経営続く…公的資金返済のメド立たず - 読売新聞

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 バブル崩壊で破綻した旧日本長期信用銀行を前身とする新生銀行は、企業に長期資金を貸すかつての名門から個人向け融資主体に大きく事業を転換させたが、厳しい経営が続く。他行との合併は破談となり、筆頭株主だった米ファンドも撤退。公的資金返済のメドが立たない中、株式公開買い付け(TOB)を仕掛けられた。

 長銀は、日本興業銀行(現みずほ銀行)や日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)と並び「長信銀3行」と呼ばれ、高度経済成長の立役者だった。しかし、1990年代になると、バブル崩壊で不動産融資の焦げ付きが相次ぎ、巨額の損失を計上。98年10月、金融再生法に基づき一時国有化され、経営破綻した。

 2000年に米ファンド「リップルウッド・ホールディングス」(当時)のグループに経営権が譲渡され、新生銀として再出発した。資本を増強するため注入された公的資金は、過去の分を含め計4000億円超に上った。

 07、08年には公的資金の対価となった優先株が普通株に転換されたが、その後は株価の低迷が続いた。

 公的資金などで、新生銀は政府に約3500億円を返済する必要がある。政府が注入額を回収するには、株価が足元の約1450円から7450円程度まで上昇してから売却する必要がある。安値で売ると国民負担が生じるため、出口が見えない。新生銀が成長シナリオを明確に示せていないことが要因だ。

 銀行事業では住宅ローンなど個人向けを主力に据え、預金金利の引き上げやATM(現金自動預け払い機)の手数料無料化で若年層の取り込みを図った。しかし、預金を集めてこなかった長銀時代のハンデは大きく、メガバンクとの差は埋まっていない。17年3月期以降の連結最終利益は、各期500億円前後にとどまる。

 海外で需要の多い消費者ローンも柱としたが、社会問題化した過払い利息の返還請求が相次いで損失計上を迫られるなど、成長エンジンにはなっていない。

 08年の「リーマン・ショック」では、不動産融資の焦げ付きで財務状況が悪化した。09年には、あおぞら銀と経営統合で合意したが、主導権を巡って経営陣が対立し、翌10年に交渉が破談となった。

 経営が悪化するたびに外部からトップを招き、行内の士気低下がささやかれていた。エリートだった長銀時代の行員も流出した。

 バブル崩壊に伴い注入された公的資金の返済が残るのは、大手では新生銀だけ。リップルとともに長銀を買収し、約20年にわたり筆頭株主だった米ファンド「JCフラワーズ」は19年8月、株式を売却していた。

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September 09, 2021 at 08:20PM
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