リオ銀の44歳・道下美里が初の金メダル＜パラ陸上女子マラソン＞ - 東京新聞

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女子マラソン（視覚障害Ｔ１２）　２８キロ付近を力走する道下美里（左）。伴走者は志田淳さん＝東京・日本橋で（共同）

　東京パラリンピック最終日の５日、陸上マラソン競技が都内で行われ、視覚障害Ｔ１２の女子は２０１６年リオデジャネイロ大会銀メダリストで世界記録保持者の道下美里（４４）＝三井住友海上＝が、３時間０分５０秒で初の金メダルを獲得した。

　序盤は４人で先頭集団を形成。１５キロ過ぎにパウトワ（ＲＰＣ）が先頭に立ち一時３秒差を付けられたが、道下は冷静なレース運びで２５キロ過ぎに捉えて併走、３０キロ過ぎに一気に飛び出して独走態勢に入った。トラックに入ったところで初めて笑みが浮かんだ。バンザイ姿でゴールテープを切ると伴走者の志田淳さんと抱き合い、サングラスを外すと目には涙が光った。

　「５年前の忘れ物を絶対に取りに行くと、皆で準備してきたので、取れてすごくうれしい。序盤はペースを刻んでいって後半勝負、坂から仕掛けると思っていた。志田さんが後ろ（のパウトワ）を見ていてくれてうまいリードを取ってくれました。いままでいろんなレースで最後失速したこともあったので気を引き締めていたが、トラックに入ってからは差があったので落ちついていけた。最高の伴走者と最強の仲間がいたのでここまでたどり着いた。皆で祝福したい」と満面の笑みだった。