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「お家芸」柔道は金・銀で発進…コロナに振り回された「内定」選手たち - 読売新聞

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 東京オリンピックは24日に日本の「お家芸」柔道が始まり、男子60キロ級の高藤直寿が金、女子48キロ級の渡名喜風南が銀と、2つのメダルを獲得した。

 柔道を統括する全日本柔道連盟(全柔連)は、オリンピックの1年延期という事態に直面し、内定選手の扱いに最も苦慮した競技団体の一つだ。

 新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する直前の2020年2月27日、14階級のうち内定していた13階級の選手のお披露目記者会見を行った。残る男子66キロ級は4月の全日本選抜体重別選手権(福岡)に阿部一二三と丸山城志郎が出場し、すべての選手が決まるはずだった。だが3月下旬、オリンピックは1年延期になった。

 体重別選手権も延期となり、内定選手をどう扱うかという議論を始めた矢先の4月には、全柔連内で職員が次々にコロナ感染して事務局が機能不全となり、66キロ級の決定と代表内定者の扱いは宙に浮いた形となった。

 強化委員会では「内定維持」派と「内定白紙」派との議論が出て、結論は出なかった。時間をかけたチームワークの醸成やアスリートの経験値が重視されることもある競技とは性格が異なるのが、個人の格闘技だ。その時点で一番強い選手を代表に、という考えは正論でもあった。

 内定白紙の可能性も排除されないと知らされた選手からは、いら立ちの声も出た。男子60キロ級で内定していた高藤直寿は当時、自身のツイッターでこうつぶやいていた。

 「代表選考やり直しとかなったら流石に無理。単純に一度決まった選手と決められなかった選手が試合するのはメンタル面でアンフェアだし。先に内定もらったのが不利になるのはおかしい」

 陸上のマラソンや水泳など他の主要競技では、早い時期に内定選手の維持を打ち出したが、柔道が内定白紙もやむなしと考えた背景には、この競技が持つ特殊な事情があった。

 男子が初めて男子の正式種目となった1964年東京大会以来、参加したすべてのオリンピック夏季大会で金メダルを積み上げてきた歴史がある。「お家芸」との枕詞がつきまとい、金以外はメダルではないと公然と言い切る風土がある。

 全柔連の「強化システムに関する内規」では、その最初の「目的」の項でこう書かれている。

 「オリンピックと世界選手権で金メダルを獲得すること」

 「全階級でメダル、その内複数の金メダルを獲得すること」

 「日本を代表し金メダルを獲得できる可能性のある選手を選考する」

 とにかく「金メダル」という言葉が並ぶ。

 五輪代表選手の選考基準として直近2年間の大会の成績や内容がポイント化され、選考資料となる。2020年夏という前提が崩れた時、内定の扱いの判断は難しかった。

 結局、全柔連は2020年5月、コロナ禍で大会が開けない状況などを加味して、すでに決まっている13階級の選手を変更しないことを決定。男子66キロ級は同年12月の決定戦で阿部が丸山を破って決着した。

 「自分の弱さが最後に出た」と涙ぐんだ渡名喜。「みんなに支えてもらった結果です。開催していただいたおかげです」と金メダルの高藤。

 長い時間を待ち続けた選手たちのオリンピックが幕を開けた。

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July 24, 2021 at 05:56PM
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