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新生「体操ニッポン」躍動 思いを力に「銀」つかむ - 産経ニュース

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【東京五輪2020体操】〈男子団体決勝〉順位が確定し、抱き合う橋本大輝ら日本代表=26日、有明体操競技場(川口良介撮影)
【東京五輪2020体操】〈男子団体決勝〉順位が確定し、抱き合う橋本大輝ら日本代表=26日、有明体操競技場(川口良介撮影)

五輪初出場組の4人が、泣きながら、笑った。26日、体操男子団体で日本代表はトップに肉薄する銀メダル。代表を逃した弟、予選落ちした先輩。そこに立てなかった人を思い、人に思われることを力に、全員で会心の演技をつないだ。

エースの橋本大輝(19)が最後の鉄棒の演技を完璧な着地で終え、一時的にトップに立つと、萱(かや)和磨(24)、北園丈琉(たける、18)、谷川航(わたる、25)は互いを抱いて喜びを爆発させた。最後はロシア・オリンピック委員会(ROC)に抜かれたが、人生初の五輪でのメダル。橋本は「3人の応援がすごく聞こえた」と振り返った。

谷川は本来ならこのメンバーの中にいたかもしれない弟、翔(かける、22)から願いを託されていた。

2018年に全日本選手権の個人総合で11連覇を狙った内村航平(32)を破り、史上最年少の19歳で日本一となった翔。しかし、20年末に肩を痛めたこともあり、代表選考がかかった試合で成績が振るわず、五輪切符を逃した。

翔は明かす。兄が「金メダルを取っているところをみたら悔しいだろうと思う」と。だからこそ成功を願った。「悔しさが僕を奮い立たせてくれる」から。次は一緒に出たいから。

「全員でつなぐ演技ができたのは価値がある」。試合後、萱は満足げだった。

小学2年生から始めた体操。当初は目立つ選手ではなかった。そんな萱に「努力する才能」を感じたのは、千葉・市立船橋高の大竹秀一監督(43)だ。高校時代に与えた目標は「日本に必要とされる選手になりなさい」。団体での貢献を主軸に置かせた。

団体で問われるのは各種目の3人の合計。4人の苦手種目と得意種目のバランスを取る必要がある。

萱が最初に取り組んだのは当時、日本代表の弱点とされたあん馬だった。次は自身が苦手だったつり輪。努力は実を結び、日本に欠かせぬオールラウンダーとしてメダルをつかんだ。

試合後、最年少の北園は「この銀メダルは一生忘れない。次は絶対に金メダルを取るしかない」。5大会連続のメダルという責務も果たした新生「体操ニッポン」は、次を見据えている。(吉沢智美、桑波田仰太)

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July 26, 2021 at 10:12PM
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