10月10日から11日まで2日間にわたって発生し、12日の午前中に取引が正常化するまで稼働開始から50年を経て初めての大規模障害となった全銀システムのトラブルだが、12月18日には監督官庁である金融庁から改めて資金決済法第80条第1項にもとづく報告懲求命令を受けたと発表する一方で、そのトラブルの要因にまつわる報道関係者向けの最終的な報告が12月1日に行われた。
いろいろとあった2023年も年の瀬を迎えようとしているが、この全銀システムのトラブルについて、「なぜこうした問題が発生したのか」「いま全銀システムに何が起きているのか」「全銀システムがどこに向かっているのか」の3つのポイントについて、いま日本の金融業界で起きている変化を交えて整理したい。
世界で最も巨大な銀行オンラインシステムの1つ
3つのポイントに触れる前に、少し前段が長くなるが「“全銀システム”とは何か」を簡単に解説しておきたい。全銀システムの本来の名称である「全国銀行データ通信システム」からも分かるように、日本国内にあるほぼ全ての金融機関が相互接続し、オンラインでの為替取引を可能とするシステムのことを指している。
下表にもあるように、1973年に最初のシステムが稼働し、その後はほぼ8年周期でシステムの刷新が行われている。この刷新に合わせて機能強化がなされており、逐次での(1件1件の)オンライン処理のみならず、MTデータ伝送(現在は『新ファイル転送』)のような複数の振込依頼の同時処理に対応したり、第6次システム稼働中の18年にスタートした夜間などの時間外処理も可能とした「モアシステム」の追加など、ある金融関係者によれば「(英国の一部を除けば)世界で最も巨大な銀行のオンラインシステム」という状態にまで進化している。
December 28, 2023 at 08:00AM
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「全銀システム障害」とは何だったのか 解明まで時間がかかった理由と、待ち構える“茨の道”とは - ITmedia NEWS
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