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スルガ銀の不良債権比率「ダントツ最悪水準」が続くわけ | スルガ銀行 不正の構図 | 今沢真 - 毎日新聞

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業務改善命令から5年(2)

 スルガ銀行の不正融資問題が決着する見通しが立たないなか、同行の不良債権比率が国内の銀行で最悪の「10%台」で高止まりしている。他に10%台の銀行はなく、同行の数値の悪さが際立つ。その理由や、改善の見通しを探った。

 不良債権とは、貸出金が焦げ付いて回収が困難になったり、先行き困難になる可能性が高いものを指す。貸出金に占める不良債権の比率が高くなりすぎると、銀行経営が行き詰まる可能性がある。このため、銀行の不良債権は金融再生法で開示基準が厳しく定められ、半年ごとに公表することになっている。

突出して悪い数値

 スルガ銀行が11月9日に発表した9月末の不良債権残高は2076億円で、貸出金に占める不良債権の比率は10.16%だった。3月末より116億円減り、比率は0.32ポイント低下したが、いずれも微減と言える。

 他行と比べてみよう。週刊エコノミスト7月4日号が今年3月末時点の銀行の不良債権比率ランキングを掲載した。地銀・第2地銀99行に埼玉りそな銀行を加えた「地域銀行100行」のランキングで、10%台はスルガ銀行だけだ。同行に次ぐ2番目は5.21%、3番目は4.85%だった。

 金融庁が集計した地域銀行100行全体の不良債権比率は1.76%(3月末時点)だった。スルガ銀行の「10%台」は地域銀行で突出して悪い。また、大手行の不良債権比率を見ると、いずれも0%台前半から1%台前半に収まっている。スルガ銀行は国内の銀行でダントツの「ワースト1」だ。

未解決の「アパマン問題」

 スルガ銀行の不良債権比率がなぜ高いのか。それは投資用不動産をめぐる不正融資問題が影響している。中古アパート・マンション物件の購入者への融資に関する不正、いわゆる「アパマン問題」が解決していないからだ。

 アパマン問題では、購入者のうち借金返済が困難となった約400人が「被害者同盟」を結成した。その弁護団がスルガ銀行と解決を目指して交渉中だ。被害者同盟メンバーの大半が元利返済を停止している。これは銀行にとって不良債権に該当する。

 この約400人向けの融資は約900億円にのぼり、同行の不良債権額の半分近くを占める。不良債権の残りも、中古アパート・マンション向け融資が多い。

不良債権額の推移

 不正融資が発覚し、金融庁がスルガ銀行に業務改善命令を出してからすでに5年あまりが過ぎた。この間、不良債権額と比率がどう推移してきたのかを見てみよう。

 業務改善命令が出た直後の2019年3月末の不良債権額は3699億円で、不良債権比率は12.68%だった。今の不良債権額はそれより約1600億円減り、比率は2.52ポイント低下している。これは、シェアハウスの不正問題が解決したことが大きい。

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December 02, 2023 at 03:00AM
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