[北京 29日 ロイター] - 中国当局が債務危機で打撃を受けた不動産部門を再生させ、低迷する経済の活性化に向けた取り組みを強化する中、一部の国有銀行が既存の住宅ローン金利を近く引き下げる可能性があることが29日、関係筋の話で分かった。
関係筋は、住宅ローン金利の引き下げ幅は顧客の種類や都市によって異なる可能性があるとしながらも、最大20ベーシスポイント(bp)引き下げられる可能性があるとしている。
実施されれば、中国では世界的な金融危機以来、初めてとなる。ただ、既存の住宅ローン金利が引き下げられれば、第2・四半期末に記録的な低水準に落ち込んだ銀行の純金利マージン(NIM、利ざや)が一段と圧迫される恐れがあるとの見方も出ている。
シティグループは、高利回り住宅ローンの価格の再設定で中国の銀行のNIMに一段と圧力がかかり、収益性と貸出能力の低下につながると指摘。中国農業銀行の頭取も、中国の銀行のNIMは下半期に下降リスクに直面するとの見通しを示している。
関係筋によると、NIMへの影響を和らげるため、大手国有銀行は一部の定期預金の金利を引き下げる見通し。引き下げ幅は10─25bpになるという。
中国人民銀行(中央銀行)からこの件に関してコメントは得られていない。
中国経済の約4分の1を占める不動産部門は2021年以降、相次ぐ危機に見舞われており、今月に入ってからは、不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)の流動性問題が表面化したことで、影響の波及懸念が高まっている。
August 30, 2023 at 12:32AM
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中国国有銀、住宅ローン金利引き下げへ 不動産危機に対応=関係筋 - Newsweekjapan
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