東京パラリンピックで3日深夜、車いすテニス女子シングルスで、世界ランキング2位の上地結衣選手(27)=三井住友銀行=が、3度目の出場で初めて決勝に挑んだ。世界1位の宿敵、ディーデ・デフロート選手(24)=オランダ=に3―6、6―7で敗れて金メダルに届かず、悔し涙を流した。ただ、負けず嫌いを自認する日本女子のエースにとって、ライバルは「自分のレベルを上げてくれる」存在でもある。
前の試合が長引き、午後10時前に始まった大一番。第2セットは何度も相手のマッチポイントをしのぎ、タイブレークで力尽きるまで食い下がった。「負けるのがすごく嫌」。試合後、涙が止まらない。でも、悔しさの中に「やり切った」という充実感もあった。
生まれつきの二分脊椎症で両脚が不自由。テニスをしていた姉の影響で、11歳で車いすテニスを始めた。高校3年で2012年ロンドン大会に初出場。準々決勝で当時世界2位のアニク・ファンクート選手(31)=オランダ=に敗れ「いつかライバルになって勝つ」と誓った。
世界を飛び回った。4大大会の常連になり、世界ランキング1位にもなった。16年リオデジャネイロ大会準決勝では再びファンクート選手と対峙。また、屈した。銅メダルを獲得したが、欲しい色ではなかった。今も「悔しさは鮮明に覚えている」。迎えた今月2日、東京大会の準決勝で3たび対戦。ようやく勝利を手にした。
決勝の相手となったデフロート選手には、リオ大会の3位決定戦で勝っている。ともに決勝進出を逃してから5年、今は女子の車いすテニス界をけん引する2人。一歩リードする相手を、上地選手は「彼女のテニスへの姿勢は変わった。次の展開を考えてプレーし、なかなか隙を見せてくれない」と尊敬を込めて評する。
表彰式の後、デフロート選手に「良いプレーだったよ」とたたえられた。感じたのは「ありがとう」よりも「悔しい」。「それだけ思っているってことは、まだ自分もやっていけるのかな」。好敵手たちと競い合い、さらなる高みを目指していく。(神谷円香、中川耕平)
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September 04, 2021 at 09:47AM
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上地結衣、涙の銀 ライバルの存在を糧に<車いすテニス女子シングルス> - 東京新聞
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