東京オリンピック(五輪)で初の金メダルを狙う女子日本代表、なでしこジャパン(FIFAランキング10位)が10日、大阪での合宿を開始した。14日に五輪前最後の親善試合(京都・サンガS)でオーストラリア(同9位)と対戦する。11年ワールドカップ(W杯)優勝と12年ロンドン五輪銀メダルの黄金時代を経て、16年リオデジャネイロ五輪は出場を逃した。その歴史を知るのはDF熊谷紗希(30=Bミュンヘン)とFW岩渕真奈(28=アーセナル)のみ。若返ったなでしこが、自国開催の五輪で世界一への道を歩む。

梅雨のじめじめとした空気と対照的な、なでしこの笑顔だった。エリアを限定し、連係に注力した約1時間半の練習後に始まったのは即席の写真撮影会。集中とリラックスを使い分け、FW田中は「金メダルを目指し、チームの結果だけじゃなく、自分も活躍したい」と迷うことなく誓った。

5日間のオフを終え、いよいよ本番モードだ。今年の親善試合は4試合全てで5得点以上。実力を把握しづらかったが、14日には16年のリオ五輪アジア最終予選で1-3と苦杯を喫したオーストラリアにぶつかる。春はドイツのレバークーゼンにレンタル移籍した田中も「強い相手とやれるのは久しぶり。できる限りのことを全てぶつけたい」。DF清水も「脚が長く懐深く入ってくる。そういう部分で違いがある」と初戦で戦うカナダや、2戦目の英国など強豪とだぶらせる。

11年W杯優勝からまもなく10年、12年ロンドン五輪銀メダルから9年となる。代表22人の顔ぶれが様変わりしても、世界の頂を目指す思いは変わらない。初戦、第2戦の札幌ドームは無観客となるが、清水は「試合に一生懸命取り組むことは変わらない」。準備は最終段階に入る。【松本航】